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出発の前の日

雨の音で目が覚める。

ものすごい大雨である。

研修初日と同じ。

スカイタワーには行けそうもない。

初めて、朝のニュースを自室のテレビで見る。

研修していたときは、一日中英語だったから聞きたくなかったが、もう今日で最後となるとどうして今まで観なかったのかと後悔。

こちらの女性キャスターはニュースを読むのに、派手な大きな花柄のドレスなど着ている。前にリビングで観たときは真っ赤なドレスを着ていた。

10時前にバス停へ。いつもの坂道もいとおしい。

バスに乗り、オフィスへ。

中国系女子とぽっちゃりさんとおじいが出迎えてくれた。

「あなたがいなくなってから、みんなで寂しい寂しいって言ってたのよ」と言ってくれた。

それから、ぽっちゃりさんがこっそりみんなを呼びに行ってくれて、ざわざわと何人もの人が来てくれた。

ケーキおばあも、もちろんやってきてくれてハグしてくれた。

土曜日から昨日までの5日間の出来事を手短に話すと、みんな楽しそうに笑っている。

それから「また連絡してね」と笑顔で握手などしたりして、ばらばらと仕事に帰っていった。

「それで、ここでもう少しいたいの?」とぽっちゃりさんが聞いてくるので、「いたいというより、もう住みたいですなあ」と答えた。

「でも、私の英語は相当ひどいとツアーの運転手さんにもガイドさんにも言われたので難しいでしょうなあ」

「あなたの英語は決して悪くないわ!」

ぽっちゃりさんはそう言い放つと、おじいを呼んだ。

「この子の英語力をどう思う?」

「立派なもんだと思うよ。聞けるし読めるし。ただ、君はあまりしゃべらないから知らない人には理解できなくてしゃべれないと思われるんだよ」

「そうよそうよ。留学生の中にはもっとひどい子もたくさんいるわ!」

二人とも私のために熱く語ってくれた。いい人達である。

「君は、ここでいろんな人に出会い、コネができたから、ここで住むことは難しくはないよ!」と微笑むおじい。

「これが私の自宅の住所とメールアドレスよ。何かあったら必ず連絡しなさい」というぽっちゃりさん。そして、なぜか会ったことのないご主人とまだ赤子の天使の名前も書かれていた。

「あなたがいなくなってから、私は仕事がつまらなかったのよ」などと言ってくれる中国系女子。

ここは本当に居心地の良い場所だった。

名残惜しいが、忙しくなってきたので帰ることにした。

中国系女子と笑顔でハグ。ぽっちゃりさんとハグすると、またぽっちゃりさんが涙目に。泣きそうになったがぐっとこらえて、さよならした。

オフィスから出ると、やっぱり涙が出てきた。

ケーキおばあのおすすめのアートギャラリーに行ってみたが、絵を見ながら涙が出た。周りの人からは感動して泣いているように見えただろうか?

ニュージーランド、あっぱれである。素晴らしい人たちがいる素晴らしい国である。

今回も参りました。

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